2014/06/09

フォント表示とCoreGraphics.dllの関係について(前編)

今回は少しマニアックなお話です。
WindowsにiTunesとSafari(ブラウザー)をインストールしている方は多いのではないかと思います。

通常のWindowsアプリケーションとウィンドウを見比べたとき,文字の見え方が違うことにお気づきでしょうか?

百聞は一見にしかず,同じ文字の表示をiTunesとWordの画面を並べます。
iTunes,MSゴシック,メイリオの順番です。
/* Wordは曲名に10.5ポイント,アルバムタイトルに14ポイントを指定しました
/* iTunesはソフト内部に独自フォント(ヒラギノ角ゴシック=MacOSの標準フォント)を持っていますが,字体が似ているフォントから選定しました

  

iTunesのフォントはメリハリがはっきりして,とても見やすいと思います。
MSゴシックは論外ながらも,メイリオは健闘していますね。
しかしiTunesは,メイリオが開発される前(WindowsXP時代)からこのクオリティを保っていたのです。驚きですね。
この違いは,どこからくるのでしょう。

種明かしをしますと,フォントの表示に伴う処理そのものがWindows標準とは違うのです。
これはiTunesやSafariをインストールするときに追加されるCoreGraphics.dllの働きによるものです。
Wikipediaに説明が載っていますが難しいですね (笑)
簡単に説明するとMacOSの描画プログラムをWindowsに移植・再現しているのです。
 (o・д・)へー

言葉で説明すると簡単ですが,なかなかどうして,これは凄いことなんですよ。
たとえるなら,自転車に飛行機のエンジンを載せて高速道路を走らせるようなものです。
極端な例えですが,それだけの力業だということです。
ちなみに,わたしの環境(iTunes,iCloudをインストール済み)では二カ所に追加されています。



で,このCoreGraphics.dllがWindows上で何をしているのか……という部分から,MacOSとWindowsの違いについて考えたことが本題です。
なんだか長くなりそうなので,次回に続きます (笑)

†††

メイリオについて
最後に少しマニアックなお話をします。
Windows Vistaから採用されたメイリオフォントは,調べてみるとなかなかよくできたフォント(真のClearTypeフォントとも呼ばれるほど)なんです。
通常のフォントは,小さなサイズ(確か閾値は8か9ポイントです)では表示を画像データに置き換えることで明瞭度を保ちます。
いっぽうメイリオは,液晶ディスプレイでの表示に最適化することを目標に開発されたフォントで,小さなサイズにおいては画数を間引いて文字の表示が潰れるのを防ぎます。
緻密なヒンティング(文字の描画位置を指定する点データのようなものです)による恩恵です。
メイリオ(=「明瞭」が語源)の名前そのものですね (^_^)b

若干のクセがあるのですが,それは次回に書こうと思います。

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