2014/06/10

Twitterの情報拡散力と「庭返せ情報強者」

デジタル・ディバイド(digital divide)という言葉をお聞きになったことはありますか?

和訳すると「デジタル情報格差」です。
インターネットが普及し始めた1990年代の後半から聞かれるようになりました。
「インターネットを活用できる人とできない人の間に格差が生じ,その差は拡大する」という考え方です。
その予言は,概ね的中したと言えるでしょう。

Googleのような検索サイトが,調査効率を飛躍的に向上させました。
Amazonのようなネット通販サイトが,ショッピングの常識を覆しました。
iPhoneやiPadのような端末が,インターネットを生活密着型の情報網に変化させました。
lineのようなWebサービスが,コミュニケーションの在り方を大きく変容させました。

ここ数年で情報を共有するスピードがますます早くなりました。
それに比例してか,情報格差は加速度的に拡大しているようにも感じます。

賢明に活用すれば,インターネットはこの上なく有用なネットワークです。
たとえば東日本大震災の際は,Twitterや各種のサービスが,ライフラインの確保や人命救助において一定の役割を果たしました。
/* 一方で有名人のツイートは広く拡散され,無名人のツイートは無視される現実もあったでしょう
/* そういう意味では,デジタル・ディバイドを象徴する事例ともなりました

同時にある種の問題を引き起こすきっかけにもなりました。
Twitterに様々なデマが書き込まれては拡散され,無益な情報の温床になったのです。
不必要に恐怖を煽るツイートやセンセーショナルなツイートが拡散されることもありました。
まるで現代版のトイレットペーパー騒動ですね。
Twitterが「デマ拡散器」「バカ発見器」と呼ばれるようになった所以です。

もちろん拡散する当人はその情報が正しいと確信し,ひとりでも多くの人に知らせなければ…との義務感から情報を拡散します。
やがて「情強(=情報強者)」を気取って,センセーショナルな情報を喜々として拡散するようになる確信犯もいます。
そのような(自称)情報強者は,ネット上のトレンドに疎い他者を「情弱(=情報弱者)」と呼んで蔑視します。

少し厳しい言い方をしますが,わたしから見れば,それはただの庭返せ情報強者です。

お断り: 庭返せ=「にわか似非 (エセ)」と読み替えてください (笑)


彼らがなぞっているのは,シングルトイレットペーパーのような、薄っぺらい表面的な情報の断片にすぎません。
思考が介在せず流れ作業のように拡散される情報は、水に濡れた瞬間に溶けて消えてしまう程度の不安定なものです。
だからこそ彼ら(彼女ら)は不安を払拭できず,あたかも中毒患者の様相で情報拡散に熱中するのでしょう。
/* ちょこっと表現を読み替えるだけで,厳しい言葉が脱力する言葉に変化しますね (笑)
/* 後半に強い持論を書きましたが,ネタとして読み飛ばしてください

珍しく語調が強い理由は,このニュースです。

「お薬手帳断ろう」ツイッターで情報拡散 薬局などは手帳の有用性PR - MSN産経ニュース -
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140608/bdy14060821180001-n1.htm

拡散している本人が,これをネタと自覚しているなら仕方ありません。
わたしも両目をつぶりながら,生暖かい微笑みで見守りましょう。
主に安易に情報を拡散する庭返せ情報強者たちの病識がゼロなので,余計に始末が悪いのです。

あくまでも個人的な意見です。
いっせいに「バルス (有名な秘密の呪文)を唱えてTwitterのサーバーをダウンさせる方が,従来のインターネットらしい遊び方だと思います (笑)

……なんてことを書いていたら,こんなアプリをみつけました (iOSアプリ)


中途半端に続きます (笑)

†††

/* 例のごとく,ニュースは掲載期間が短いので転載します

「お薬手帳断ろう」ツイッターで情報拡散 薬局などは手帳の有用性PR(sankei.jp.msn.com
 「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。医療の値段である診療報酬が4月に改定されたことを受け、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」でそんな情報が広がっている。
 薬剤師などの医療従事者からは「自分の健康を守る手帳なのに、安くするために断るという考え方はなじまない」と戸惑いの声が上がるが、現場では手帳を断る患者が増えている。
 薬局側は「有用性を分かってもらうことが大切」として説明を強化し、理解を広げたい考えだ。
 お薬手帳は医療機関で処方された薬の名前や処方量などをシールで貼るなどして記録、管理する手帳。他の医療機関で出された薬との飲み合わせや過去の処方薬の確認ができることから、全国の薬局で取り入れられている。
 東日本大震災では、カルテを流された医療機関もあったが、患者が持参したお薬手帳が診療の大きな助けとなった。
 従来、手帳への記載などで薬局が得られる「薬剤服用歴管理指導料」は410円だったが、4月の診療報酬改定で手帳が不要な人への指導料は340円に減額された。3割負担だと自己負担額は20円安くなる計算だ。
 ネット上では、「手帳を断れば20円安くなる」「20円を得るため、薬局は勧めてくるので断ろう」といった情報が拡散。逆に、「20円のために健康を危険にさらすのか」などの反論も続出している。
 厚生労働省は「安くなる裏技のように情報が広がるのは好ましくない」とするが、「患者側が手帳にメリットを感じていないから、そういう意見が出るのではないか」と医療者側にも責任があるとする。
 こうした事態に薬局も対応に本腰を入れ始めた。全国で調剤薬局を展開する「アイセイ薬局」(東京都千代田区)によると、お薬手帳を断る患者は1割ほどで、4月以降増えているという。同社は「診療報酬が改定されたのは、お薬手帳の運営が形骸化しているという批判があったからだろう」と分析。患者に手帳の有用性を説明するため、薬の飲み合わせによる副作用事例などをまとめた冊子を作成中だ。
 こうした動きは多くの薬局に広がり、ポスターを掲げたり、チラシを配布したりする店舗も。アイセイ薬局の担当者は「有用性をアピールするだけでなく、手帳が不要な場合は安くなることも伝え、患者の信頼を得ていきたい」と話している。

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Tommy Emmanuel

アコギとは思えないテクの持ち主です