2014/07/16

ベネッセの情報流出事件: 容疑者特定のニュースに感じる嫌悪感

誤解を恐れずに書かせてください。

今回の事件について,わたしは当初から反ベネッセの考えを強く持っています。
会長の原田氏を筆頭としたベネッセが,被害者意識を丸出しにしているのが,そもそも気にくわないのです。
ベネッセは被害者であると同時に,甚大な情報流出を引き起こした加害者です。
結局はザル同然のセキュリティリスクを放置し続けたツケが回ったのですから,これはもはや人災です。
それを棚に上げて,一方的にジャストを叩きまくる風潮を作り出している,この上なく見上げた姿勢に激しい嫌悪感すら感じています。

そして本日,犯人に繋がる情報が挙がってきました。
案の定,シンフォーム社が業務を再委託していた,下請け業者のトンデモ派遣社員がやらかしやがりました。

【ベネッセ情報漏洩】「数百万円で売却」発覚直前まで複写 近く逮捕 - MSN産経ニュース - http://sankei.jp.msn.com/smp/affairs/news/140716/crm14071608100006-s.htm

数百万のために最大7千万以上もの個人情報を流出させたとのこと。
つまり,人ひとりの個人情報に1円の価値もないと言っているようなものです。
この時点で言語道断,情状酌量の余地なし。
それに飽きたらず,情報の差分を同じ業者に何度も持ち込んでいたとのこと。
パブロフの犬より低脳なパレード思考回路をお持ちでいらっしゃいます。
これは,もう根っからの(そして救いようのない)ギャンブラー思考。
真正の大バカ野郎です。

まぁ,確かに再委託先の下請けの派遣社員なんて,周りの正社員と比べたら,はるかに安い給料でやりくりしてるのでしょう。
割に合わない仕事をさせられて,うっぷん晴らしにパーッと遊びたかったのかもしれません。
それは,つまり,ベネッセ(そしてシンフォーム)が支払っていた賃金は,その程度の人材しか集まらない金額だったということです。
言い換えるなら,ベネッセ側も,たいせつな顧客情報の預け先について,極めて貧弱な認識しか持っていなかったのです。
どちらもおめでたい。ブラボー,マンボー,ダブルでマンボー。

ネットには「こいつの住所氏名から電話番号,親兄弟の個人情報を晒しちゃえよ」なんて過激な声も挙がっているくらいです。(まぁ,晒されるのは時間の問題だと思いますが。汗)
流出した情報は転売を繰り返していますから,おそらく末端価格は少なく見積もっても数千万です。
ベネッセ社の賠償金と併せて最大で億単位,日本の経済活動に多大な貢献をしたことは,評価しましょうか。
もっとも得をするのは,名簿業者と博打屋と名簿を使って悪巧みをする連中ですけど。

たかだか数百万。
わたしとしては「割に合わないからやめときなさいよ」と,言ってやりたい気持ちでいっぱいです。
そんな端金で遊んで暮らしたって,一年ももちませんよ。
しかもギャンブルで使い切っちゃってね,「何やってんの?」レベル。人間としての器が小さすぎます。
せめて三億くらい狙いましょうよ,ねぇ。
そんでもって,「みんなで分けよね,さんさんさんさ〜〜ん,三億円(^^♪」と,景気よく高らかに歌い上げてください。
/* わかる人には分かる「三億円強奪事件の歌」 (笑)

†††

オマケ: わたしがここまで感情的に意見を書いた理由

わたし自身も派遣社員として勤務しており,多くの個人情報に接し得る業務に携わっているからです。
この犯人は,わたしのような立場の人間にとっても迷惑この上ない悪行を重ねたのです。

どこぞのブラック企業のように「お金をもらっている以上はプロとしての自覚を持て」なんて,ピントのずれたことは言いません。
それでも情報が無制限に拡散されかねないことと,その社会的影響を考えるだけでも許されないことだと分かるじゃないですか。
こんな思考の人間が,人様の貴重な個人情報に接すること自体,社会に対する冒涜です。
この事件には,やはり嫌悪感しか感じません。

前回のエントリーはこちら→ (読んでみる

†††
ニュースの本文を転載しておきます

【ベネッセ情報漏洩】「数百万円で売却」発覚直前まで複写 近く逮捕
2014.7.16 08:10更新

 通信教育大手「ベネッセコーポレーション」から顧客情報が大量に流出した問題で、顧客情報のデータベース(DB)を管理する下請け業者の派遣社員でシステムエンジニア(SE)の男が、警視庁生活経済課の任意の事情聴取に対し、「名簿業者に自分から買い取りを持ちかけ、数百万円で売った。ギャンブルで使った」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。

 6月下旬の発覚直前まで、顧客情報のコピーと転売を繰り返していたことも判明した。生活経済課はSEによる単独犯行との見方を強め、不正競争防止法違反(営業秘密の複製)容疑で近く逮捕する。

 捜査関係者によると、DBのアクセス履歴や売却先の名簿業者の記録などから、SEは問題発覚直前まで複数回にわたって顧客情報をコピーし、何度も転売していた。

 SEは時期を置いて何度もコピーすることで、刻々と更新されている顧客情報も取得し、重複分を除いて名簿業者に販売していたとみられる。売却先の業者は任意の事情聴取に「SEと面識はなく、不正に入手したものとは知らなかった」と供述しているという。

 ベネッセによると、流出した顧客情報は最大約2070万件で、このうち約760万件の流出が確認されている。

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Tommy Emmanuel

アコギとは思えないテクの持ち主です