2014/01/14

中小企業の問題点とブラック経営者の脱税疑惑(脱税のからくり)

ここまでの話をまとめましょう。

O社長は,有限会社Fの代表取締役,株式会社Oの常務取締役,そして地元商工会議所青年部の幹事です。
・不透明な勤怠管理,給与計算について
・確定賃金額,及び従業員数の虚偽申告疑いについて
それぞれを検証してきました。

ここからはO社長の脱税疑惑について検証していきます。

その前に,ふたつの節約となるケースを挙げましょう。

日頃から意識する機会が多いのは消費税です。
2014年4月から消費税額が5%から8%に上がります。
消費者側の支払額は上がりますから,金額のかさむ物品を増税の前に買う方がいます。
同じ品物を同じ金額で買ったとしても,消費税の増税分は得する計算です。

類似した例として,昨今の円安によって輸入品の値段が跳ね上がりました。
アップル製品の大幅値上げが記憶に新しいです。
そうなる前にアップル製品を購入したり,貯金をドル建てにした人はウハウハですね (笑)
あ。。わたしはしていませんよ σ(^◇^;)

。。と,まぁ。
このように日常的な例でも得をする局面がある訳です。
企業の節税対策も似たようなものです。

企業は事業によって得た利益の一部を税として納めなければいけません。
利益の一部を自社の設備に投資することで節税を行うことがあります。
企業としての支払額は増加しますが,課税される利益を相対的に減ります。
従って納める税金を減らすことができるのです。

O社長は,意図的に類似したことを行っている可能性があります。
株式会社Oが有限会社Fに仕事を発注することによってです。



上にざっくりした図を書いてみました (笑)
左側のグラフが株式会社Oの利益と税金の比率と仮定します。
ピンク色の部分が税金として納める金額です。(割合は適当ですから。笑)

真ん中のグラフが疑惑のグラフです。
黄色い部分を有限会社Fへの支払いと仮定しましょう。
相対的にピンク色の部分が減っているのがお分かりいただけますか?
これが脱税のからくりだと推測しています。
税法に詳しいわけではないのですが,なにもしないよりは総合的に黒字になるんでしょう。

世の中の経営者様は声を大にして「これは脱税ではない。節税だ」と反論されるかもしれません。
仮に百歩譲って節税だとしても。。悪質ですよねぇ。
これって右のポケットから左のポケットにお金を移すようなものじゃないですか。
しかも株式会社Oの利益は,社員さんが汗水垂らして稼いだお金です。
それが自社に還元されないまま有限会社Fに流れているんです。
なんだか報われませんよ。

友人によると二店舗の売上は少なく,売上は一人分の日給にならないこともしばしばだそうです。
どこから給料が出るのか疑問に思っていたようでした。
わたしの推理を話すと妙に納得していたので,思い当た
るところがあったのでしょう。
実際に「O ※※※※※※」と書かれた伝票が複数枚あったようです。

帳簿はO社長が管理しているので,正確な金額はわかりませんが。。ブラックボックスです。
母体になっている株式会社Oは地元の自治体ともつながりの深い優良企業
当のO社長は地元商工会議所青年部の幹事
おそらく有限会社Fに出入りしているらしい株式会社Oの税理士もグルです。
いくらO社長がずぼらな人間でも,この件が明るみに出ることはないでしょう。

不条理ですが,これが現実です。
当初の予想より長くなったシリーズですが,次はわたしの思うところを書いてみます。

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