2013/11/28

ブラックナイトタウン / 近藤晃央さん

舌の根も乾かぬうちに(使い方を間違えてます。笑)
近藤晃央(こんどう あきひさ)さんのニューシングルです。


アニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」のEDとしてオンエアされているので,
お聴きになった方もいるでしょう。



「みんなのうたのトラウマソング (笑)」として有名な「メトロポリタン美術館」を彷彿とさせます。
。。つか,これはPVの印象が大きいですが σ(^◇^;)

印象的なイントロですね。
少し枯れたセロの音が,真夜中のけだるいダークな世界観を瞬時に構築します。

セロ。。っていうのが,またいいチョイスです。
華やかなバイオリン,ふくよかなヴィオラ,包み込むようなコントラバスでなく,
人間の声に一番近い音色とされるのがセロです。
マーチンのドレッドでもOMでも,Gibsonのdoveでもなく,
ソロギタリストがGibsonのLサイズやフォルヒギターのGシリーズを選ぶような音選びですね。

その後を引き継ぐキーボードが,いつも通り素晴らしい仕事をしています。
けだるい空気を吹き飛ばして,舞踏会が始まったような彩りを添えつつ,
イントロのフレーズからズンドコ響くバスドラにも埋もれない
ユニゾン(オクターブ違いの同音を重ねる)でアタックの強い音を加えています。

基本はアッパー路線で最後まで突っ走りますが,これはもはやプログレですね。

基本はエイトビートですが,イントロのアコギのような「↓↓↓・」といった具合の
メヌエットっぽいリズム取りを一貫して採用しています。
# やはり舞踏会をイメージしているんでしょう。
細かい刻みのAメロに続いて,Bメロはゆったりしたリズムを刻みます。
フィルインで変拍子の予兆を感じさせながら,サビのリズム「↓↑↓↑・↑」に突入します。
終盤のキーボードソロでエイトビートに戻ってCメロに突入しますが,これも曲者っぽい (笑)
三拍目にアクセントを置いた四拍子のまま,余韻の残るエンディングを迎えます。

近藤さんご本人が「ライブではみんなが固まる (笑)」と書いていましたが,
これはプログレ耐性の少ないオーディエンスにはキツいノリですね (^◇^;)

「Dark Night Town」や「Midnight Town」ではない
「Black Night Town」というタイトルのことえりもいいですね。

「black out (= 舞台の暗転)」を連想させます。
その他,「瞬間的な失神や一時的な記憶喪失」という意味合いもあります。

誰しも心の中に「闇 (Dark)」を飼っているものです。(なんとまぁ,中二病っぽい表現ですな。笑)
心が闇に飲み込まれそうに感じる瞬間があるでしょう。
そんなときに人は(おそらくは本能的な防衛反応から)ブラックアウトします。
すべてのものを拒絶して,心の闇の淵を覗くことでしょう。

「ブラックナイトタウン」が実在するとすれば,この街はそういった闇を閉じこめておく場所です。
足を踏み入れて自分の心の闇を預けたら,もはや自分の心に闇は残っていません。
完全な漆黒も存在しなければ,明けない夜もないのです。
なんと希望に溢れた街でしょう (^_^)b
退廃的な空気やダークな中にも希望や救いが残されている世界観ですね。


話はそれますが。。THE ALFEEは転調を何度も繰り返します。
コーラスも三声で(音源も重ねていますね)パートが入り乱れます。
「プログレ・オブ・プログレ」と言っても過言ではありません (笑)
それを差し引いても近藤さんの音作りは凄みを増しています。
Twitterによると次回作のレコーディングも進んでいるようです。
ますます目が離せません。

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